荊芥連翹湯とは

荊芥連翹湯

荊芥連翹湯

けいがいれんぎょうとう

蓄膿症(副鼻腔炎)や慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびなど、鼻・のど・皮膚の炎症を繰り返しやすい方に用いられる代表的な処方です。比較的体力がある方に向いています。

蓄膿症(副鼻腔炎)慢性鼻炎扁桃炎を繰り返すにきび・吹き出物脂性肌

基本情報

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、明治〜昭和の時代に活躍した日本の医師、森道伯(もりどうはく)が中心となった「一貫堂(いっかんどう)医学」で用いられてきた処方です。荊芥・連翹・黄連・黄芩・当帰・柴胡・薄荷・白芷など17種類の生薬から構成されています。

主な生薬である「荊芥」と「連翹」の名前が、そのまま処方の名前になっています。荊芥は皮膚や粘膜など体の表面に働きかけ、連翹は炎症や化膿を鎮める生薬で、この2つが組み合わさっているのが特徴です。

比較的体力があり、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすい方、お腹に力がある方に用いられます。蓄膿症(副鼻腔炎)や慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびなど、鼻やのど、皮膚の炎症を繰り返しやすい体質の改善に使われている処方です。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:
蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび

構成生薬(17種類)荊芥連翹湯は、以下の17種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • 蓄膿症や鼻づまりが長く続く
  • 扁桃炎を繰り返しやすい
  • にきびや吹き出物が化膿しやすい
  • 皮膚の色が浅黒く脂っぽい
  • 手足の裏に汗をかきやすい

比較的体力があり、皮膚の色が浅黒く、皮脂が多くテカリやすい方に向いている処方です。手足の裏にじっとりと汗をかきやすい方、子どもの頃から扁桃炎や中耳炎にかかりやすい方、蓄膿症や鼻炎が長引きやすい方、にきびが化膿して硬くなりやすい方などに用いられます。鼻・のど・皮膚の炎症を繰り返しやすい体質の改善を目的に使われることの多い処方です。

漢方的な考え方

漢方では、体の中に「熱」がこもり、さらに体に栄養やうるおいを運ぶ「血(けつ)」の巡りや質が乱れると、鼻やのど、皮膚などの粘膜や体の表面に炎症が起こりやすくなると考えます。一貫堂医学では、こうした炎症や化膿を繰り返しやすい体質を「解毒証(げどくしょう)体質」と呼んでいます。

荊芥連翹湯は、黄連・黄芩・黄柏・山梔子がこもった熱と炎症を鎮め、当帰・芍薬・川芎・地黄が血を補って巡りを整えます。荊芥・防風・薄荷・白芷が皮膚や粘膜に働きかけてかゆみや鼻の通りを改善し、連翹が炎症を鎮めます。桔梗と枳実が膿を出しやすくし、柴胡が気の巡りを整えます。熱を冷ましながら血を整え、鼻・のど・皮膚の慢性的な炎症を体質から改善していくのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。体質の改善を目的とする処方のため、ある程度の期間続けて服用することが多いですが、長く続ける場合は専門家にご相談ください。

よくある質問

Q荊芥連翹湯はどんな方に向いていますか?

A
比較的体力があり、皮膚の色が浅黒く、手足の裏に汗をかきやすい方で、蓄膿症(副鼻腔炎)や慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびなど、鼻・のど・皮膚の炎症を繰り返しやすい場合に用いられることが多い処方です。

Q十味敗毒湯とはどう違いますか?

A
どちらも化膿しやすい皮膚トラブルに用いられる処方ですが、十味敗毒湯は皮膚トラブルの初期に幅広く使われます。荊芥連翹湯は、にきびが慢性化して硬くなっている場合や、鼻・のどの炎症も繰り返しやすい体質の改善に用いられることが多い処方です。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。1か月ほど服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。また、長期間続けて服用する場合も、専門家にご相談ください。

Q服用中に気をつける症状はありますか?

A
まれに重い副作用が起こることがあります。階段を上ったり少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しい、空せき、発熱(間質性肺炎)や、手足のだるさ・しびれ・つっぱり感・脱力感(偽アルドステロン症)、発熱・かゆみ・皮膚や白目が黄色くなる・全身のだるさ(肝機能障害)などがあらわれた場合は、すぐに服用を中止し、医師の診療を受けてください。また、長期間服用して、腹痛・下痢・便秘・お腹の張りを繰り返す場合も、医師にご相談ください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、胃腸が弱く下痢しやすい方、高齢の方、むくみのある方、高血圧・心臓病・腎臓病と診断された方は、服用前に専門家にご相談ください。荊芥連翹湯には甘草が含まれているため、ほかに甘草を含む漢方薬や薬を飲んでいる方も、事前にご相談ください。生後3か月未満の乳児には飲ませないでください。

Q荊芥連翹湯はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、荊芥連翹湯は「50番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、荊芥連翹湯のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。