当帰飲子とは

当帰飲子

当帰飲子

とうきいんし

冷え症で皮膚が乾燥しやすい方の、カサカサしたかゆみや、分泌物の少ない湿疹・皮膚炎に用いられる代表的な処方です。体力が中くらいより少ない方に向いています。

乾燥肌のかゆみカサカサした湿疹冷え症夜にかゆみが強くなる高齢者の皮膚のかゆみ

基本情報

当帰飲子(とうきいんし)は、中国・南宋の時代にまとめられた医書『済生方(さいせいほう)』の、湿疹やかゆみなど皮膚の病気を扱う章に収載されている処方です。当帰・地黄・芍薬・川芎・防風・蒺藜子・何首烏・黄耆・荊芥・甘草の10種類の生薬から構成されています。

主な生薬である「当帰」の名前に、煎じて飲む薬を表す「飲子(いんし)」を付けて、この名がつけられました。

体力が中くらいより少なく、冷え症で、皮膚が乾燥する方に用いられます。皮膚がカサカサしてかゆい、粉をふいたようになる、かさぶたがポロポロ落ちるといった、分泌物の少ない湿疹・皮膚炎やかゆみに使われている処方です。年齢とともに皮膚が乾燥して起こる、高齢の方の皮膚のかゆみにもよく用いられています。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力中等度以下で、冷え症で、皮膚が乾燥するものの次の諸症:
湿疹・皮膚炎(分泌物の少ないもの)、かゆみ

構成生薬(10種類)当帰飲子は、以下の10種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • 肌がカサカサに乾燥してかゆい
  • 夜、体が温まるとかゆくて眠れない
  • 保湿してもかゆみが治まらない
  • 冷え症で肌の色つやが悪い
  • 年齢とともに肌のかゆみが増えた

体力が中くらいより少なく、冷え症の方に向いている処方です。皮膚がカサカサと乾燥して粉をふいたようになる方、かさぶたができてポロポロ落ちる方、乾燥して皮膚にひび割れができやすい方、夜に布団の中で体が温まるとかゆみが強くなる方、肌の色つやが悪い方などに用いられます。年齢とともに皮膚が乾燥しやすくなった高齢の方のかゆみにもよく使われています。

漢方的な考え方

漢方では、体に栄養やうるおいを運ぶ「血(けつ)」が不足すると、皮膚に十分なうるおいが届かなくなり、乾燥してかゆみが起こりやすくなると考えます。この状態を「血虚(けっきょ)」と呼び、乾燥によって起こるかゆみは、かゆみの原因である「風(ふう)」が皮膚にとどまりやすくなった状態とされています。

当帰飲子は、当帰・地黄・芍薬・川芎・何首烏が不足した血を補って皮膚をうるおし、防風・荊芥・蒺藜子がかゆみの原因となる風を散らします。黄耆が皮膚の守りを強くし、甘草が全体の働きを調和させます。血を補って体の内側から皮膚をうるおしながら、乾燥によるかゆみを鎮めるのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。お子さまに飲ませる場合は、年齢に合わせた量を守り、保護者の方が必ず付き添ってください。あわせて、保湿などのスキンケアも続けることをおすすめします。

よくある質問

Q当帰飲子はどんな方に向いていますか?

A
体力が中くらいより少なく、冷え症で皮膚が乾燥する方の、カサカサしたかゆみや、分泌物の少ない湿疹・皮膚炎に用いられることが多い処方です。高齢の方の乾燥によるかゆみにもよく使われています。

Q温清飲とはどう違いますか?

A
どちらも乾燥した皮膚のかゆみに用いられる処方ですが、温清飲は熱を冷ます生薬を含み、乾燥に加えて赤みやのぼせがある方に用いられます。当帰飲子は、赤みやほてりは少なく、冷え症で乾燥とかゆみが中心の方に用いられることが多い処方です。

Q消風散とはどう違いますか?

A
消風散は、分泌物が多くじゅくじゅくした湿疹に用いられます。当帰飲子は反対に、分泌物が少なく、カサカサと乾燥した湿疹やかゆみに用いられる処方です。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。お使いの製品の説明書に書かれている期間服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、胃腸が弱く下痢しやすい方、今までに薬で発疹・かゆみなどを起こしたことがある方は、服用前に専門家にご相談ください。当帰飲子には甘草が含まれているため、ほかに甘草を含む漢方薬や薬を飲んでいる方も、事前にご相談ください。

Q当帰飲子はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、当帰飲子は「86番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、当帰飲子のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。