桂枝加朮附湯とは

桂枝加朮附湯

桂枝加朮附湯

けいしかじゅつぶとう

冷えると悪化する関節痛や神経痛に用いられる代表的な処方です。汗をかきやすく、手足が冷えてこわばりやすい、体力があまりない方に向いています。

冷えると悪化する関節痛神経痛手足の冷え・こわばり汗をかきやすい体力があまりない

基本情報

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)は、江戸時代の日本の医師、吉益東洞(よしますとうどう)が用いた処方で、桂皮・芍薬・蒼朮(または白朮)・大棗・甘草・生姜・附子の7種類の生薬から構成されています。

かぜの初期などに用いられる「桂枝湯(けいしとう)」に、余分な水分を取り除く「朮(じゅつ)」と、体を温めて痛みを鎮める「附子(ぶし)」を加えたことから、この名がつけられました。

体力があまりなく、汗をかきやすく、手足が冷えてこわばりやすい方、ときに尿の量が少ない方に用いられます。寒い日や冷房で冷えると悪化する、ひざや肩などの関節痛や神経痛に使われている処方です。お風呂に入ると症状が楽になるような方に向いているとされています。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの次の諸症:
関節痛、神経痛

構成生薬(7種類)桂枝加朮附湯は、以下の7種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • 寒い日や冷房で関節が痛む
  • 朝に手足がこわばる
  • ひざや肩の関節が痛む
  • 冷えると神経痛が悪化する
  • お風呂に入ると痛みが楽になる

体力があまりなく、もともと冷えが強い方に向いている処方です。手足が冷たく寒がりな方、汗をかきやすい方、朝に手足がこわばる方、寒い日や冷房で関節の痛みや神経痛が悪化する方、お風呂で温まると痛みが和らぐ方などに用いられます。反対に、体力が充実している方や、患部に熱感や腫れがある急な炎症には向かない場合があります。

漢方的な考え方

漢方では、体を温める力が弱まると、体の中の「水(すい)」の巡りも悪くなり、冷えや余分な水分が関節や筋肉にたまって、こわばりや痛みが起こりやすくなると考えます。こうした痛みは、冷えると悪化し、温めると楽になるのが特徴です。

桂枝加朮附湯は、附子と桂皮が体を内側から温めて痛みを鎮め、蒼朮(白朮)が関節や筋肉にたまった余分な水分を取り除きます。芍薬が筋肉のこわばりをゆるめ、大棗・甘草・生姜が胃腸を守りながら全体の働きを調和させます。体を温めて水の巡りを整え、冷えによる関節や神経の痛みをやわらげるのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。体を温める処方のため、冷たい水よりも白湯で飲むのがおすすめです。

よくある質問

Q桂枝加朮附湯はどんな方に向いていますか?

A
体力があまりなく、汗をかきやすく、手足が冷えてこわばりやすい方の、冷えると悪化する関節痛や神経痛に用いられることが多い処方です。

Q附子とは何ですか?

A
附子は、トリカブトの根を加熱処理などで毒性を弱めたもので、体を温めて冷えによる痛みを鎮める生薬です。医薬品として安全に使えるよう加工されていますが、体質に合わない場合は、動悸やのぼせ、舌のしびれなどが出ることがあります。

Q牛車腎気丸とはどう違いますか?

A
どちらも附子を含み、冷えを伴う痛みやしびれに用いられます。桂枝加朮附湯は、関節や筋肉の痛みが中心の方に用いられます。牛車腎気丸は、足腰の冷えに加えて、頻尿やむくみなど排尿のお悩みを伴う方に用いられることが多い処方です。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。お使いの製品の説明書に書かれている期間服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。関節が急に腫れて熱をもつ、痛みが強くなるといった場合は、医療機関を受診してください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、体力が充実している方、のぼせが強く赤ら顔の方、高齢の方、むくみのある方、高血圧・心臓病・腎臓病と診断された方は、服用前に専門家にご相談ください。桂枝加朮附湯には甘草が含まれているため、ほかに甘草を含む漢方薬や薬を飲んでいる方も、事前にご相談ください。服用後に動悸、のぼせ、舌のしびれ、吐き気などがあらわれた場合は、服用を中止してご相談ください。

Q桂枝加朮附湯はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、桂枝加朮附湯は「18番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、桂枝加朮附湯のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。