半夏白朮天麻湯とは

半夏白朮天麻湯

半夏白朮天麻湯

はんげびゃくじゅつてんまとう

胃腸が弱く、足が冷えやすい方の、めまい・立ちくらみや頭痛、頭の重さなどに用いられる代表的な処方です。体力が中くらいより少ない方に向いています。

めまい・立ちくらみ頭痛・頭の重さ胃腸が弱い足の冷え疲れやすい

基本情報

半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)は、中国・金〜元の時代の名医、李東垣(りとうえん)がまとめた医書『脾胃論(ひいろん)』に収載されている処方で、半夏・白朮・天麻・陳皮・茯苓・人参・黄耆など12〜14種類の生薬から構成されています。主な生薬である「半夏」「白朮」「天麻」の名前が、そのまま処方の名前になっています。

天麻(てんま)は、ラン科のオニノヤガラの根茎で、めまいや頭痛、耳鳴りによく用いられる生薬です。

体力が中くらいより少なく、胃腸が弱くて足が冷えやすい方に用いられます。頭痛や頭の重さ、立ちくらみ、めまい、蓄膿症(副鼻腔炎)などに使われている処方です。激しくはないけれど続く頭痛や頭の重さ、ふわふわ・ぐるぐるするめまいに、吐き気や食欲不振、だるさを伴うような場合によく用いられています。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力中等度以下で、胃腸が弱く下肢が冷えるものの次の諸症:
頭痛、頭重、立ちくらみ、めまい、蓄膿症(副鼻腔炎)

構成生薬(12種類)半夏白朮天麻湯は、以下の12種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • めまいや立ちくらみがする
  • 頭痛や頭の重さが続く
  • 胃腸が弱く食欲がない
  • 足が冷えやすい
  • めまいと一緒に吐き気がする

体力が中くらいより少なく、胃腸が弱い方に向いている処方です。足が冷えやすい方、激しくはないけれど頭痛や頭の重さが続く方、立ちくらみやめまいが起こりやすい方、めまいとともに吐き気や食欲不振、全身のだるさを感じる方、食後に眠くなりやすい方などに用いられます。

漢方的な考え方

漢方では、胃腸(脾胃)の働きが弱ると、食べたものから作られる「気(き)」が不足し、さらに体の中の「水(すい)」の巡りが悪くなって、余分な水分(痰)がたまりやすくなると考えます。この余分な水分が頭のほうへ上がると、めまいや頭痛、頭の重さ、吐き気などが起こるとされています。

半夏白朮天麻湯は、半夏・白朮・茯苓・沢瀉・陳皮が余分な水分を取り除き、天麻がめまいや頭痛を鎮めます。人参・黄耆・麦芽が弱った胃腸の働きを高めて気を補い、乾姜・生姜が胃腸を温め、黄柏がこもった熱を冷まします。胃腸を立て直しながら水の巡りを整えて、めまいや頭痛を改善するのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。

よくある質問

Q半夏白朮天麻湯はどんな方に向いていますか?

A
体力が中くらいより少なく、胃腸が弱くて足が冷えやすい方の、めまい・立ちくらみや頭痛、頭の重さなどに用いられることが多い処方です。めまいとともに吐き気や食欲不振を伴う場合によく使われています。

Q五苓散や釣藤散とはどう違いますか?

A
五苓散は体力に関わらず使え、のどが渇いて尿が少なく、むくみを伴うめまいや頭痛に用いられます。釣藤散は中年以降の方の、朝方に起こる慢性的な頭痛や高血圧の傾向がある場合に用いられます。半夏白朮天麻湯は、胃腸が弱く足が冷えやすい方のめまいや頭痛に用いられることが多い処方です。

Qすぐに病院に行ったほうがいいめまいはありますか?

A
突然の激しいめまいや頭痛、手足のしびれやまひ、ろれつが回らない、物が二重に見える、立っていられないといった症状を伴う場合は、脳の病気が原因のこともあります。すぐに医療機関を受診してください。耳鳴りや聞こえにくさを伴うめまいも、耳鼻咽喉科での検査をおすすめします。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。お使いの製品の説明書に書かれている期間服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、今までに薬で発疹・かゆみなどを起こしたことがある方は、服用前に専門家にご相談ください。服用後に発疹・かゆみ、じんましんなどがあらわれた場合は、服用を中止してご相談ください。

Q半夏白朮天麻湯はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、半夏白朮天麻湯は「37番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、半夏白朮天麻湯のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。