苓桂朮甘湯とは

苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯

りょうけいじゅつかんとう

ぐるぐる回るようなめまいや、立ち上がったときの立ちくらみ、ふらつき、動悸、耳鳴りなどに用いられる代表的な処方です。体力が中くらいより少ない方に向いています。

めまい・ふらつき立ちくらみ動悸・息切れ耳鳴り・頭痛のぼせ・神経過敏

基本情報

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)は、中国・後漢の時代にまとめられた医書『傷寒論(しょうかんろん)』『金匱要略(きんきようりゃく)』に収載されている処方で、茯苓・桂皮・白朮(または蒼朮)・甘草のわずか4種類の生薬から構成されています。4つの生薬の頭文字「苓・桂・朮・甘」をつなげたものが、そのまま処方の名前になっています。

体の中の水分の偏りや代謝の乱れ(水毒)によって起こる症状に用いる、代表的な処方として知られています。

体力が中くらいより少なく、めまいやふらつきがあり、ときにのぼせや動悸を伴う場合に用いられます。自分や周りがぐるぐる回るように感じるめまい、立ち上がったときに起こる立ちくらみ、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏などに使われている処方です。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症:
立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏

構成生薬(4種類)苓桂朮甘湯は、以下の4種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • ぐるぐる回るようなめまいがする
  • 立ち上がるとクラッとする
  • ふらつきや足元の不安定さがある
  • 動悸や息切れがする
  • 耳鳴りや頭痛を伴う

体力が中くらいより少ない方に向いている処方です。自分や周りがぐるぐる回るように感じるめまいがある方、立ち上がったときに立ちくらみが起こりやすい方、ふらつきがある方、動悸や息切れがする方、耳鳴りや頭痛を伴う方、のぼせやすく気持ちが落ち着かない方、尿の量が少ない方などに用いられます。

漢方的な考え方

漢方では、胃腸の働きが弱ると、体の中の「水(すい)」の巡りが乱れ、余分な水分がたまる「水滞(すいたい)」の状態になると考えます。この余分な水分が頭のほうへ上がると、めまいや立ちくらみ、耳鳴り、頭痛が起こり、胸のあたりに影響すると、動悸や息切れ、気持ちの落ち着かなさにつながるとされています。

苓桂朮甘湯は、茯苓と白朮(蒼朮)が胃腸の働きを整えながら余分な水分を取り除き、桂皮が上に突き上げる気を鎮めて、のぼせや動悸をやわらげます。甘草が全体の働きを調和させます。わずか4つの生薬で、上半身にたまった余分な水分をさばき、めまいや動悸を改善するのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。

よくある質問

Q苓桂朮甘湯はどんな方に向いていますか?

A
体力が中くらいより少なく、めまいやふらつき、立ちくらみがあり、ときにのぼせや動悸を伴う場合に用いられることが多い処方です。ぐるぐる回るようなめまいによく使われています。

Qめまいに使うほかの漢方薬とはどう違いますか?

A
苓桂朮甘湯は、ぐるぐる回るめまいや立ちくらみに、動悸やのぼせを伴う方に用いられます。半夏白朮天麻湯は胃腸が弱く足が冷える方のめまいや頭痛に、五苓散はのどが渇いて尿が少なく、むくみを伴うめまいに、釣藤散は中年以降の方の朝方の頭痛やめまいに用いられることが多い処方です。

Qすぐに病院に行ったほうがいいめまいはありますか?

A
突然の激しいめまいや頭痛、手足のしびれやまひ、ろれつが回らない、物が二重に見える、立っていられないといった症状を伴う場合は、脳の病気が原因のこともあります。すぐに医療機関を受診してください。耳鳴りや聞こえにくさを伴うめまいも、耳鼻咽喉科での検査をおすすめします。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。お使いの製品の説明書に書かれている期間服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
苓桂朮甘湯には甘草が含まれています。ほかに甘草を含む漢方薬や薬を飲んでいる方、医師の治療を受けている方、妊娠中の方、高齢の方、むくみのある方、高血圧・心臓病・腎臓病と診断された方は、服用前に専門家にご相談ください。

Q苓桂朮甘湯はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、苓桂朮甘湯は「39番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、苓桂朮甘湯のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。