自律神経失調症とは

漢方専門 一心堂薬局 コラム
TOP症状・病気事典 / 自律神経失調症とは
🧠 こころとからだ

自律神経失調症とは

病院で検査をしても異常がないのに、だるさやめまい、動悸が続く——それは自律神経失調症かもしれません。原因、セルフチェック、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

自律神経失調症のイメージ
検査で異常が見つからないのに不調が続くのが特徴です

自律神経失調症とは、意思とは関係なく心拍・体温・消化などを自動的にコントロールしている「自律神経」のバランスが乱れることで、心身にさまざまな不調が現れる状態の総称です。自律神経は、活動時に働く「交感神経」と、休息時に働く「副交感神経」から成り立ち、この2つのバランスが崩れると、動悸、めまい、頭痛、倦怠感、不眠、消化不良など、多岐にわたる症状が現れます。性別を問わず起こりうる不調です。

主な原因は、ストレスや疲労、生活リズムの乱れ、気圧や気候の変化などです。内科などを受診しても明確な異常が見つからないことが多く、複数の診療科を転々としてしまうケースも少なくありません。この「検査では異常がないのに不調が続く」という点が、自律神経失調症の大きな特徴です。放置すると、内臓疲労が蓄積し、うつ症状へ移行するケースもあるとされています。

漢方(東洋医学)では、自律神経失調症を「気」のめぐりの乱れとして捉え、症状の現れ方(のぼせ・イライラか、興奮・不眠か、喉のつかえ・不安か)に応じた処方が用いられます。

CHECK

こんな症状の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

病院で検査をしても異常がないと言われる
動悸や息苦しさを感じることがある
めまいやふらつきが気になる
寝つきが悪い、夜中に目が覚める
喉に何かが詰まった感じがする
イライラや不安感が続いている
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。症状が続く場合は、まず内科で他の病気がないか確認し、その上で心療内科などへの相談もご検討ください。

TYPE

症状のタイプ別に見る、漢方でのアプローチ

漢方では、自律神経失調症の現れ方(のぼせ・イライラが中心か、興奮・不眠が中心か、喉のつかえ・不安が中心か)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

のぼせ・イライラタイプ(体力があまりない方)

のぼせ・イライラタイプ

体力があまりなく、のぼせ・イライラ・疲れやすさが目立つタイプです。ホルモンバランスの乱れを伴う方に用いられることが多い処方です。

代表処方:加味逍遙散
TYPE 02

興奮・不眠タイプ(体力が充実している方)

興奮・不眠タイプ

比較的体力があり、神経が過敏で動悸・不眠が強いタイプです。緊張してなかなか寝付けない方に用いられることが多い処方です。

代表処方:柴胡加竜骨牡蛎湯
TYPE 03

喉のつかえ・不安タイプ(気分がふさぎやすい方)

喉のつかえ・不安タイプ

気分がふさぎ、喉や食道あたりに異物感(つかえ感)があるタイプです。何事も思い悩みやすい方、心労をため込みやすい方に用いられることが多い処方です。

代表処方:半夏厚朴湯

まずは他の病気がないか確認を

自律神経失調症のような症状の裏に、甲状腺の病気や貧血など、他の病気が隠れていることもあります。「ストレスのせい」と自己判断せず、まずは内科などで検査を受け、他の病気がないか確認することをおすすめします。

処方比較

代表的な漢方処方

加味逍遙散かみしょうようさん
のぼせ・イライラ・疲れやすい方に。気のめぐりを整える処方として用いられることが多い
柴胡加竜骨牡蛎湯さいこかりゅうこつぼれいとう
体力があり動悸・不眠が強い方に。興奮を鎮める処方として用いられることが多い
半夏厚朴湯はんげこうぼくとう
喉のつかえ感・不安感がある方に。気のめぐりを良くする処方

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていることも多く、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

症例

実際の相談・症例動画

YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

😴規則正しい生活リズムを心がける
🧘深呼吸やストレッチで副交感神経を優位にする
🚶適度な運動で心身のバランスを整える
🩺まずは内科で他の病気がないか確認する
FAQ

よくある質問

Q自律神経失調症は病院の何科を受診すればいいですか?
Aまずは内科で、症状の原因となる他の病気がないか確認することがすすめられます。内臓に異常が見つからない場合は、心療内科・神経内科への相談も選択肢の一つです。
Q自律神経失調症は検査で分かりますか?
A心電図で心拍の揺らぎを調べる「自律神経機能検査」がありますが、実施できる医療機関は限られています。多くは「ストレスがある」「動悸・不眠などの症状がある」「内臓に異常が見つからない」という3条件から、自律神経失調症の疑いと判断されることが多いとされています。
Q放置するとどうなりますか?
A自律神経失調症を放置すると、内臓に疲労が及びやすくなり、長時間労働などのストレスが重なると心身の負担が大きくなるとされています。また、うつ症状に移行するケースもあるとされ、早めのセルフケアや相談が大切です。
Q漢方薬はどのくらい続ければいいですか?
A体質改善を目的とすることが多いため、一定期間続けて経過をみることが一般的とされています。効果の感じ方には個人差があります。
まとめ

要点のおさらい

  • 自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、心身にさまざまな不調が現れる状態です
  • 検査をしても明確な異常が見つからないことが多いのが特徴です
  • 漢方では症状の現れ方に応じて、加味逍遙散・柴胡加竜骨牡蛎湯・半夏厚朴湯などが使い分けられます
  • まずは内科で他の病気がないか確認し、症状が続く場合は自己判断せず専門家に相談することが大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
KANPO CONSULTATION
漢方相談窓口

体質に合わせた漢方選びは、専門家との問診がおすすめです。お気軽にご相談ください。