葛根湯加川芎辛夷とは

葛根湯加川芎辛夷

葛根湯加川芎辛夷

かっこんとうかせんきゅうしんい

つらい鼻づまりや、長引いて慢性化した鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)に用いられる代表的な処方です。体を温めて鼻の通りを良くし、比較的体力がある方に向いています。眠くなる成分は含まれていません。

つらい鼻づまり慢性鼻炎蓄膿症(副鼻腔炎)鼻づまりだけが残る首や肩のこわばり

基本情報

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)は、日本で経験的に用いられてきた処方で、葛根・麻黄・桂皮・芍薬・大棗・甘草・生姜・川芎・辛夷の9種類の生薬から構成されています。

かぜのひきはじめに用いる「葛根湯(かっこんとう)」に、川芎(せんきゅう)と辛夷(しんい)の2つの生薬を加えたことから、この名がつけられました。辛夷はモクレン科のタムシバなどのつぼみで、鼻の通りを良くする生薬です。

比較的体力がある方の、鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎に用いられます。かぜや鼻炎で、くしゃみや鼻水が治まっても鼻づまりだけが残っている場合や、頭の重さや首・肩のこわばりを伴う場合によく使われています。お風呂に入ると鼻づまりが楽になるような方に向いている処方です。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
比較的体力があるものの次の諸症:
鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎

構成生薬(9種類)葛根湯加川芎辛夷は、以下の9種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • 鼻づまりがつらく息苦しい
  • 鼻水が治まっても鼻づまりだけが残る
  • 慢性鼻炎や蓄膿症が長引いている
  • 頭が重く首や肩がこわばる
  • お風呂に入ると鼻の通りが良くなる

比較的体力がある方に向いている処方です。鼻づまりがつらく息苦しい方、かぜや鼻炎のあとに鼻づまりだけが残っている方、慢性鼻炎や蓄膿症が長引いている方、鼻水がのどに流れてくる方、頭の重さや首・肩のこわばりを伴う方などに用いられます。お風呂に入って体が温まると鼻の通りが良くなる方にも向いています。

漢方的な考え方

漢方では、体が冷えると体内に余分な「水(すい)」がたまり、鼻の血の巡りが悪くなって、鼻づまりや鼻炎が長引くと考えます。体が温まると鼻の通りが良くなるのは、このためとされています。

葛根湯加川芎辛夷は、葛根・麻黄・桂皮・生姜(葛根湯の生薬)が体を温めて、たまった余分な水分の発散を促します。辛夷が鼻の通りを良くし、川芎が血の巡りを促して鼻のうっ血を取り除きます。芍薬・大棗・甘草が全体の働きを調和させます。体を温めながら鼻の血の巡りを良くして、つらい鼻づまりを改善するのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。体を温める処方のため、白湯で飲むのがおすすめです。ほかのかぜ薬や鼻炎薬と一緒に飲む場合は、事前にご相談ください。

よくある質問

Q葛根湯加川芎辛夷はどんな方に向いていますか?

A
比較的体力がある方の、鼻づまりや慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎)に用いられることが多い処方です。くしゃみや鼻水が治まっても鼻づまりだけが残っている場合によく使われています。

Q鼻に使うほかの漢方薬とはどう違いますか?

A
小青竜湯は水のような透明な鼻水やくしゃみに、辛夷清肺湯は黄色くねばねばした濃い鼻水や熱っぽさを伴う鼻づまりに用いられます。荊芥連翹湯は、鼻やのど、皮膚の炎症を繰り返しやすい体質の改善に使われます。葛根湯加川芎辛夷は、体が温まると楽になるような鼻づまりや、長引く慢性鼻炎に用いられることが多い処方です。

Q葛根湯とはどう違いますか?

A
葛根湯加川芎辛夷は、葛根湯に鼻の通りを良くする辛夷と、血の巡りを促す川芎を加えた処方です。葛根湯がかぜのひきはじめに使われるのに対して、葛根湯加川芎辛夷は鼻づまりや慢性鼻炎など、鼻の症状に特化した処方です。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。お使いの製品の説明書に書かれている期間服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。顔の腫れや強い痛み、高熱、目の症状を伴う場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
葛根湯加川芎辛夷には、心臓や血圧に影響することのある麻黄と、甘草が含まれています。医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、体力が衰えている方、胃腸の弱い方、汗をかきやすい方、高齢の方、今までに薬で発疹・かゆみなどを起こしたことがある方、むくみのある方、排尿しにくい方、高血圧・心臓病・腎臓病・甲状腺の病気と診断された方は、服用前に専門家にご相談ください。ほかのかぜ薬や、麻黄・甘草を含む漢方薬と一緒に飲む場合も、事前にご相談ください。服用後に発疹・かゆみ、吐き気、食欲不振、胃の不快感、動悸、不眠などがあらわれた場合は、服用を中止してご相談ください。

Q葛根湯加川芎辛夷はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、葛根湯加川芎辛夷は「2番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、葛根湯加川芎辛夷のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。