参蘇飲とは

参蘇飲

参蘇飲

じんそいん

胃腸が弱い方のかぜやせきに用いられる処方です。麻黄を含まず、胃腸の働きを助けながらかぜの症状をやわらげるため、葛根湯などで胃がもたれやすい方にも使われています。

胃腸が弱い方のかぜせき・たん長引くかぜ胃のもたれ・食欲不振麻黄が合わない方に

基本情報

参蘇飲(じんそいん)は、中国・宋の時代にまとめられた医書『和剤局方(わざいきょくほう)』に収載されている処方で、蘇葉・葛根・前胡・半夏・茯苓・陳皮・桔梗・枳実・木香・人参・大棗・甘草・生姜の13種類の生薬から構成されています。

主な生薬である「人参(にんじん)」と、シソの葉である「蘇葉(そよう)」から一文字ずつとって、「参蘇飲」と名づけられています。

体力が弱く、胃腸が弱い方の、かぜやせきに用いられる処方です。人参などの胃腸を助ける生薬と、かぜの症状やせき・たんをやわらげる生薬が組み合わされています。胃もたれや食欲不振を伴うかぜや、なかなか治りきらないかぜに使われています。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力虚弱で、胃腸が弱いものの次の諸症:
感冒、せき

構成生薬(13種類)参蘇飲は、以下の13種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • 胃腸が弱く、かぜをひきやすい
  • かぜで胃がもたれる・食欲がない
  • せきやたんが続く
  • かぜが長引いてすっきりしない
  • 葛根湯などで胃の調子が悪くなる

体力が弱く、胃腸が弱い方に向いている処方です。かぜをひくと胃もたれや食欲不振、吐き気を伴いやすい方、せきやたんが続く方、かぜが長引いてすっきりしない方、麻黄を含む葛根湯や麻黄湯を飲むと胃の調子が悪くなる方などに用いられます。高齢の方や、ふだんから疲れやすい方のかぜにも使われています。

漢方的な考え方

漢方では、胃腸(脾胃)が弱い方は、食べたものから作られる「気(き)」が不足しやすく、かぜの邪気を追い出す力も弱いと考えます。そのため、かぜが長引きやすく、胃腸の働きが乱れて余分な水分(痰)がたまり、せきやたん、胃もたれを伴いやすいとされています。

参蘇飲は、蘇葉・葛根・前胡が体の表面のかぜの邪気を発散させます。半夏・陳皮・茯苓・桔梗がたんを取り除いてせきを鎮め、枳実・木香が気の巡りを良くして胃もたれをやわらげます。人参・大棗・甘草・生姜が弱った胃腸の働きを助けます。胃腸を守りながら、かぜの症状とせき・たんをあわせて改善するのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。お子さまに飲ませる場合は、年齢に合わせた量を守り、保護者の方が必ず付き添ってください(2歳未満は服用できない製品があります)。ほかのかぜ薬と一緒に飲む場合は、事前にご相談ください。

よくある質問

Q参蘇飲はどんな方に向いていますか?

A
体力が弱く、胃腸が弱い方の、かぜやせきに用いられることが多い処方です。かぜで胃もたれや食欲不振を伴う場合や、かぜが長引いている場合によく使われています。

Qかぜに使うほかの漢方薬とはどう違いますか?

A
葛根湯は体力が中くらい以上で首や肩がこわばるかぜのひきはじめに、麻黄湯は体力が充実していて高い熱やふしぶしの痛みがあるかぜに用いられます。桂枝湯は体力が弱く自然に汗ばむかぜのひきはじめに、麻黄附子細辛湯は手足が冷えてさむけばかりが強いかぜに使われます。参蘇飲は、胃腸が弱く、せきやたん、胃もたれを伴うかぜや、長引くかぜに用いられることが多い処方です。

Q葛根湯を飲むと胃がもたれるのですが、参蘇飲は使えますか?

A
参蘇飲には、胃に負担がかかりやすい麻黄が含まれていません。人参などの胃腸を助ける生薬が入っているため、胃腸が弱い方のかぜに用いられます。体質に合うかどうかは、薬剤師や登録販売者にご相談ください。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
1週間ほど服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。高熱が続く、息苦しい、せきが3週間以上続く、血の混じったたんが出るといった場合は、医療機関を受診してください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、今までに薬で発疹・かゆみなどを起こしたことがある方は、服用前に専門家にご相談ください。服用後に発疹・発赤、かゆみなどがあらわれた場合は、服用を中止してご相談ください。参蘇飲には甘草が含まれているため、ほかに甘草を含む漢方薬や薬を飲んでいる方も、事前にご相談ください。

Q参蘇飲はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、参蘇飲は「66番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、参蘇飲のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。