茵蔯五苓散とは

茵蔯五苓散

茵蔯五苓散

いんちんごれいさん

のどが渇いて尿の量が少ない方の、むくみやじんましん、嘔吐、二日酔いに用いられる処方です。水の巡りを整える五苓散に、熱と湿気を取り除く茵蔯蒿を加えたもので、体力中等度以上の方に向いています。

のどの渇き・尿が少ないむくみじんましん二日酔い吐き気・嘔吐

基本情報

茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)は、中国・後漢の時代にまとめられた医書『金匱要略(きんきようりゃく)』に収載されている処方で、沢瀉・猪苓・茯苓・蒼朮(または白朮)・桂皮・茵蔯蒿の6種類の生薬から構成されています。

体の水の巡りを整える「五苓散(ごれいさん)」に、キク科のカワラヨモギの花穂である「茵蔯蒿(いんちんこう)」を加えたことから、この名がつけられました。

体力中等度以上をめやすに、のどが渇いて尿の量が少ない方の、嘔吐、じんましん、二日酔い、むくみに用いられます。五苓散の働きに加えて、体にこもった熱と湿気を取り除く働きがあり、じんましんなど皮膚の症状を伴う場合にも使われている処方です。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力中等度以上をめやすとして、のどが渇いて、尿量が少ないものの次の諸症:
嘔吐、じんましん、二日酔、むくみ

構成生薬(6種類)茵蔯五苓散は、以下の6種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • のどが渇くのに尿の量が少ない
  • 顔や手足がむくみやすい
  • じんましんが出やすい
  • お酒を飲んだ翌日がつらい
  • 吐き気や嘔吐がある

体力中等度以上をめやすに用いられる処方です。のどが渇いて水分をとるのに尿の量が少ない方、顔や手足がむくみやすい方、じんましんが出やすい方、お酒を飲んだ翌日に吐き気やむかつきが残る方、口が渇いて吐き気や嘔吐がある方などに用いられます。

漢方的な考え方

漢方では、体の中の「水(すい)」の巡りが乱れると、必要なところに水分が届かずにのどが渇く一方で、余分な水分が体にたまって尿の量が減ったり、むくみや吐き気が起こったりすると考えます。そこに「熱」が加わり、熱と湿気が一緒にこもる「湿熱(しつねつ)」の状態になると、じんましんなど皮膚の症状にも現れるとされています。

茵蔯五苓散は、沢瀉・猪苓・茯苓・蒼朮が余分な水分を尿として外へ出し、桂皮が水の巡りを助けます(ここまでが五苓散)。そこに茵蔯蒿が加わり、体にこもった熱と湿気を取り除きます。水の巡りを整えながら熱と湿気もあわせて取り除くのが、この処方の特徴です。

飲み方

一般的には、1日2〜3回、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に、水またはぬるま湯で服用します。

1回の量や回数は製品によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従ってください。二日酔いや吐き気に用いる場合は、症状があるときに服用します。

よくある質問

Q茵蔯五苓散はどんな方に向いていますか?

A
体力中等度以上をめやすに、のどが渇いて尿の量が少ない方の、むくみやじんましん、嘔吐、二日酔いに用いられることが多い処方です。

Q五苓散とはどう違いますか?

A
茵蔯五苓散は、五苓散に茵蔯蒿を加えた処方です。五苓散は体力に関わらず使え、めまいや頭痛、むくみ、下痢、二日酔いなど水の巡りの乱れによる症状に幅広く用いられます。茵蔯五苓散は、それに加えて体にこもった熱と湿気を取り除く働きがあり、じんましんなど皮膚の症状を伴う場合に用いられることが多い処方です。

Q茵蔯蒿湯とはどう違いますか?

A
どちらも茵蔯蒿を含みますが、茵蔯蒿湯は大黄を含み、便秘がちな方のじんましんや口内炎に用いられます。茵蔯五苓散は大黄を含まず、便秘ではなく、のどが渇いて尿が少なく、むくみやすい方に用いられることが多い処方です。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
1か月ほど(嘔吐や二日酔いのむかつきに服用する場合は5〜6回)服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。皮膚や白目が黄色くなる、急にむくみがひどくなった、尿がほとんど出ないといった場合は、肝臓や腎臓、心臓の病気が原因のこともあるため、すぐに医療機関を受診してください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、今までに薬で発疹・かゆみなどを起こしたことがある方は、服用前に専門家にご相談ください。服用後に発疹・発赤、かゆみなどがあらわれた場合は、服用を中止してご相談ください。

Q茵蔯五苓散はツムラの何番ですか?

A
医療機関で処方されるツムラの医療用漢方製剤では、茵蔯五苓散は「117番」です。この番号はツムラが製品につけている整理番号で、ほかのメーカーでは番号が異なったり、番号がついていなかったりします。同じ処方名でも、メーカーや製品によって生薬の量などが違う場合があるので、気になる方は薬剤師・登録販売者にご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、茵蔯五苓散のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。