胃風湯とは

胃風湯

胃風湯

いふうとう

顔色が悪く、食欲がなくて疲れやすい方の、急性・慢性の胃腸炎や、冷えによる下痢に用いられる処方です。胃腸の働きを高めながら血を補い、お腹を温めて下痢をしずめます。体力が中くらいより少ない方に向いています。

冷えによる下痢長引く下痢顔色が悪い食欲がない疲れやすい

基本情報

胃風湯(いふうとう)は、中国・宋の時代にまとめられた医書『和剤局方(わざいきょくほう)』に収載されている処方で、人参・白朮・茯苓・当帰・芍薬・川芎・桂皮・粟(ぞく)の8種類の生薬から構成されています。

「胃風(いふう)」とは、漢方で、胃腸に冷えや風(ふう)の邪気が入り込んで、下痢などを起こした状態を指す言葉です。この状態に用いる処方であることから、胃風湯と名づけられています。

体力が中くらいより少なく、顔色が悪くて食欲がなく、疲れやすい方の、急性・慢性の胃腸炎や冷えによる下痢に用いられます。胃腸の働きを高める生薬と、血を補う生薬を組み合わせた処方で、下痢が長引いて体力が落ちている方にも使われています。

効能・効果

一般用医薬品 添付文書情報より
体力中等度以下で、顔色悪くて食欲なく、疲れやすいものの次の諸症:
急・慢性胃腸炎、冷えによる下痢

構成生薬(8種類)胃風湯は、以下の8種類の生薬から構成されています。

こんな方におすすめ

  • お腹が冷えると下痢をする
  • 下痢が長引いている
  • 顔色が悪く疲れやすい
  • 食欲があまりない
  • 胃腸が弱く体力が落ちている

体力が中くらいより少ない方に向いている処方です。お腹が冷えると下痢をしやすい方、下痢が長引いている方、顔色が悪く血色がすぐれない方、食欲がなく疲れやすい方、胃腸炎のあとに体力が落ちている方などに用いられます。

漢方的な考え方

漢方では、胃腸(脾胃)の働きが弱っているところに冷えや邪気が入り込むと、食べたものをうまく消化・吸収できなくなり、下痢が起こると考えます。下痢が続くと、体を養う「気(き)」や「血(けつ)」もさらに不足し、顔色が悪くなったり、疲れやすくなったりするとされています。

胃風湯は、人参・白朮・茯苓が胃腸の働きを高めて気を補い、余分な水分を取り除いて下痢をしずめます。当帰・芍薬・川芎が血を補って巡りを良くし、芍薬はお腹の痛みもやわらげます。桂皮がお腹を温め、粟が胃腸を守ります。胃腸を立て直しながら気と血をあわせて補い、冷えによる下痢を改善するのが、この処方の特徴です。

飲み方

胃風湯は、生薬を煎じて服用する「湯剤」として用いられることが多い処方です。一般的には、1日分を煎じて2〜3回に分け、食前または食間(食後2時間ほど経った空腹時)に温かいうちに服用します。

服用量や煎じ方は製品や体質によって異なりますので、お使いの製品の説明書に従うか、漢方の専門家にご相談ください。

よくある質問

Q胃風湯はどんな方に向いていますか?

A
体力が中くらいより少なく、顔色が悪くて食欲がなく、疲れやすい方の、急性・慢性の胃腸炎や冷えによる下痢に用いられることが多い処方です。

Q冷えによる下痢に使うほかの漢方薬とはどう違いますか?

A
人参湯は、お腹の冷えによる胃腸の不調や下痢に用いられます。桂枝人参湯はそれに頭痛やさむけを伴う場合に、真武湯は体が芯から冷えてめまいやむくみも伴う場合に用いられます。胃風湯は、胃腸の働きを高めるだけでなく血を補う生薬も含み、顔色が悪く疲れやすい方の長引く下痢に用いられることが多い処方です。

Qどのくらい飲み続ければ良いですか?

A
効果の感じ方には個人差があります。お使いの製品の説明書に書かれている期間服用しても症状が良くならない場合は、服用を中止して、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。血の混じった便や黒い便、激しい腹痛、高熱、水分がとれないほどの下痢や嘔吐、体重が急に減っているといった場合は、すぐに医療機関を受診してください。

Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?

A
医師の治療を受けている方、妊娠中または妊娠の可能性がある方、今までに薬で発疹・かゆみなどを起こしたことがある方は、服用前に専門家にご相談ください。服用後に発疹・発赤、かゆみ、胃の不快感などがあらわれた場合は、服用を中止してご相談ください。

Q胃風湯はツムラの何番ですか?

A
胃風湯は、ツムラの医療用漢方製剤には含まれていないため、ツムラの番号はありません。一般用の漢方製剤として、主に生薬を煎じる湯剤などで用いられます。取り扱いについては、漢方薬局などにご相談ください。

参考文献

服用にあたって

上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。

あなたの体質に合わせて調整することもできます

一心堂薬局では、胃風湯のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。体質相談・オーダーメイド漢方のご提案を行っています。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効能を保証するものではありません。体質や症状には個人差があり、服用にあたっては薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。