痿証方とは

痿証方
いしょうほう
腰から下に力が入らない、足がなえて立ちにくいといった「痿(い)」と呼ばれる状態に、古くから用いられてきた処方です。血を補う生薬と足腰を支える生薬を組み合わせ、じっくり続けて服用するのが特徴です。
基本情報
痿証方(いしょうほう)は、『秘方集験(ひほうしゅうけん)』に収載され、江戸時代の漢方医・浅田宗伯(あさだそうはく)の『勿誤薬室方函口訣(ふつごやくしつほうかんくけつ)』でも紹介されている処方です。当帰・地黄・芍薬・蒼朮(または白朮)・牛膝・杜仲・黄耆・知母・黄柏などの生薬から構成されています。
「痿(い)」とは、漢方で、筋肉や骨に力が入らず、手足、とくに下肢がなえて思うように動かせなくなる状態を指す言葉です。この「痿証(いしょう)」に用いる処方であることから、痿証方と名づけられています。
古典では、腰から下に力が入らず立てない、腰や膝が弱い、足がなえるといった状態の、初期の段階や、それほど重くない場合に用いるとされています。痛みを伴う状態よりも、痛みが少なく力が入らない状態に向く処方とされ、「長く続けて服用するべき」と記されています。
効能・効果
古典での主な用い方:
腰から下に力が入らない、下肢がなえて立ちにくい、腰や膝が弱いといった状態(痿証)の、初期の段階や比較的軽い場合
構成生薬(9種類)痿証方は、以下の9種類の生薬から構成されています。
こんな方におすすめ
足腰に力が入りにくい
足がなえて立ち上がりにくい
腰や膝が弱くなったと感じる
足のだるさや重さが続く
痛みは少ないが足に力が入らない
体力があまりなく、足腰の弱りを感じる方に用いられてきた処方です。腰から下に力が入りにくい方、足がなえて立ち上がりにくい方、腰や膝が弱くなったと感じる方、足のだるさや重さが続く方、顔色や肌の色つやがすぐれない方などに用いられます。痛みが強い場合よりも、痛みは少なく力が入りにくい状態に向くとされています。
漢方的な考え方
漢方では、筋肉や骨は「血(けつ)」によって養われ、足腰の力は「腎(じん)」の働きに支えられていると考えます。血が不足したり、腎の働きが弱ったりすると、筋肉や骨が十分に養われず、下肢に力が入らなくなる「痿」の状態になるとされています。また、古典では、痛みを伴わない痿は体の力が不足した状態(虚証)、痛みを伴う「痺(ひ)」は邪気が滞った状態(実証)と区別されています。
痿証方は、当帰・地黄・芍薬が血を補って筋肉や骨を養い、牛膝・杜仲が足腰を支えます。黄耆が気を補い、蒼朮(白朮)が胃腸の働きと水分の巡りを整えます。知母・黄柏が、体の中にこもった余分な熱を冷まします。血と気を補いながら足腰を支え、時間をかけて体を立て直していくのが、この処方の特徴です。
飲み方
痿証方は市販のエキス製剤がほとんどない処方のため、主に生薬を煎じて服用します。服用量や回数、煎じ方は、体質や症状に合わせて調整しますので、必ず漢方の専門家にご相談ください。
古典で「長く続けて服用するべき」とされているように、短期間で効果を判断せず、体調の変化を見ながら続けていくことが大切な処方です。
よくある質問
Q痿証方はどんな方に用いられますか?
Q「痿(い)」とはどういう意味ですか?
Q市販薬として購入できますか?
Qどのくらい続ければ良いですか?
Qすぐに病院に行ったほうがいい症状はありますか?
Q服用に注意が必要なのはどんな人ですか?
参考文献
服用にあたって
上記の効能・効果や構成生薬は、公的な医薬品情報に基づく一般的な内容です。実際の服用にあたっては、体質や他の服用薬との組み合わせによって適否が異なるため、自己判断での購入・服用ではなく、薬剤師・登録販売者・医師にご相談ください。
あなたの体質に合わせて調整することもできます
一心堂薬局では、痿証方のような既製の処方をそのままお渡しするだけでなく、問診を踏まえて生薬の配合バランスを調整するオーダーメイド漢方もご提案しています。「なんとなく合わない気がする」という方も、お気軽にご相談ください。










