掌蹠膿疱症とは

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掌蹠膿疱症とは

手のひらや足の裏に、繰り返しできる膿を持った水ぶくれ——それは掌蹠膿疱症かもしれません。喫煙や病巣感染との関わりが指摘されている、慢性の皮膚疾患です。原因、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

掌蹠膿疱症のイメージ
患者さんの喫煙率は70〜90%と、非常に高いことが知られています

掌蹠膿疱症とは、手のひら(掌)や足の裏(蹠)を中心に、赤み・膿疱(膿を持った水ぶくれ)・皮むけを繰り返す慢性の皮膚疾患です。膿疱の中の膿は無菌で、人にうつることはありません。まれに、胸や鎖骨、背骨などの骨や関節に痛みを伴う「掌蹠膿疱症性骨関節炎」を合併することもあります。

原因はまだ解明されていないことも多く残されていますが、喫煙、自覚症状のない程度の扁桃炎や歯周炎などの「病巣感染」、頑固な便秘や過敏性腸症候群、金属アレルギーなどが、発症に深く関わっている例が多くみられます。特に、患者さんの喫煙率は70〜90%と非常に高いことが知られており、重要な悪化因子と考えられています。ストレスをきっかけに症状が始まることも多いとされています。

漢方(東洋医学)では、掌蹠膿疱症のような慢性の膿疱性トラブルを、化膿傾向や、病巣感染との関連、乾燥・ひび割れの有無に応じたタイプに分けて捉え、体質に合わせた処方が用いられます。

CHECK

こんな症状の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

手のひらや足の裏に、膿を持った水ぶくれができる
赤みや皮むけを繰り返している
タバコを吸う習慣がある、または吸っていた
虫歯や歯周病、扁桃炎などの持病がある
患部の乾燥やひび割れが気になる
胸や鎖骨、背骨などの痛みを伴うことがある
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。骨や関節の痛みを伴う場合は、皮膚科に加えて整形外科や専門の診療科への相談もご検討ください。

TYPE

体質別に見る、漢方でのアプローチ

漢方では、掌蹠膿疱症の背景にある体質(化膿傾向が強いか、病巣感染が関わっているか、乾燥・ひび割れが目立つか)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

化膿傾向タイプ(膿疱が目立つ方)

化膿傾向タイプ

膿を持った発疹が目立ち、化膿傾向が強いタイプです。皮膚に溜まった膿の排出を助ける処方として用いられることが多い処方です。

代表処方:十味敗毒湯
TYPE 02

病巣感染関連タイプ(歯周病・扁桃炎がある方)

病巣感染関連タイプ

歯周炎や扁桃炎など、病巣感染との関連が疑われるタイプです。体の熱を冷ましながら血のめぐりを整える処方が選ばれます。

代表処方:荊芥連翹湯
TYPE 03

乾燥・ひび割れタイプ(患部が乾燥しやすい方)

乾燥・ひび割れタイプ

患部の乾燥やひび割れが目立つタイプです。血を補いながら患部を温める処方が選ばれることが多いタイプです。

代表処方:温経湯

禁煙・病巣感染の治療もあわせて大切です

掌蹠膿疱症は、喫煙や病巣感染(扁桃炎・歯周炎など)との関連が指摘されています。漢方薬だけに頼らず、禁煙への取り組みや、耳鼻咽喉科・歯科での病巣感染のチェックも、皮膚科での治療とあわせて検討することをおすすめします。

処方比較

代表的な漢方処方

十味敗毒湯じゅうみはいどくとう
化膿傾向が強い方に。皮膚に溜まった膿の排出を助ける処方
荊芥連翹湯けいがいれんぎょうとう
病巣感染が関わっている方に。体の熱を冷ましながら血のめぐりを整える処方
温経湯うんけいとう
乾燥・ひび割れが目立つ方に。血を補いながら患部を温める処方

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていたり、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

🚭禁煙に取り組む(禁煙外来の活用もおすすめです)
🦷歯科・耳鼻咽喉科での病巣感染のチェックを受ける
💍金属アレルギーが疑われる場合は検査を検討する
🩺骨や関節の痛みがある場合は専門医に相談する
FAQ

よくある質問

Q掌蹠膿疱症はうつりますか?
Aいいえ。掌蹠膿疱症は感染症ではなく、人にうつることはありません。膿疱の中の膿も無菌であることが分かっています。
Q禁煙すれば治りますか?
A掌蹠膿疱症の患者さんの喫煙率は70〜90%と非常に高く、禁煙によって症状が軽減したり、治療効果が高まったりする傾向が報告されています。ただし禁煙だけで必ず治るとは限らず、病巣感染の治療など他のアプローチと合わせて取り組むことが大切です。
Q歯や扁桃腺と関係があるのですか?
Aはい。自覚症状のない程度の扁桃炎や歯周炎などの「病巣感染」が、発症に深く関わっている例が多くみられます。皮膚科だけでなく、耳鼻咽喉科や歯科と連携して治療を行うことがあります。
Q漢方薬だけで治療できますか?
A掌蹠膿疱症の治療は、ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬、病巣感染の治療、禁煙指導などが基本です。漢方薬は、この治療と並行して、体質面のサポートとして用いられることがあります。
まとめ

要点のおさらい

  • 掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に膿疱を繰り返す慢性の皮膚疾患で、感染症ではありません
  • 喫煙(患者さんの喫煙率70〜90%)や病巣感染(扁桃炎・歯周炎など)との関連が指摘されています
  • 漢方では体質(化膿傾向、病巣感染関連、乾燥・ひび割れ)に応じて、十味敗毒湯・荊芥連翹湯・温経湯などが使い分けられます
  • 禁煙や病巣感染のチェックも、皮膚科での治療とあわせて大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
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