帯状疱疹とは
帯状疱疹とは
体の片側にピリピリとした痛みとともに現れる、赤みと水ぶくれ——それは帯状疱疹(たいじょうほうしん)かもしれません。80歳までに約3人に1人が経験するとされる、身近な病気です。原因、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。
帯状疱疹とは、子どもの頃にかかった水ぼうそう(水痘)の原因ウイルスである「水痘・帯状疱疹ウイルス」が、治った後も神経節に潜伏し続け、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下した際に再活性化することで起こる病気です。日本人成人の90%以上がこのウイルスを体内に持っているとされ、80歳までに約3人に1人が発症すると報告されています。
ウイルスが神経に沿って広がるため、通常は体の左右どちらか一方に、帯状に赤みと小さな水ぶくれ(水疱)が現れます。皮疹が出る数日前からピリピリ・チクチクとした痛みや違和感が先行することも多く、皮疹の範囲や程度に応じて、痛みも軽いものから強いものまでさまざまです。発症のピークは70歳代とされ、加齢とともに発症率・重症化率がともに上がる傾向があります。
皮膚症状が治まった後も、神経の損傷によって痛みが3ヶ月以上続くことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。帯状疱疹患者さんの1〜2割程度にみられ、高齢になるほど発症しやすいとされています。漢方(東洋医学)では、急性期の炎症の強さや冷えの有無、慢性期の痛みの性質に応じて、体質に合わせた処方が抗ウイルス薬による治療と並行して用いられることがあります。
こんな症状の変化、思い当たりませんか
当てはまるものにチェックを入れてみてください。
※個人差があります。帯状疱疹は早期の抗ウイルス薬治療がその後の経過を左右するため、疑わしい症状があれば自己判断せず、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。
体質・病期別に見る、漢方でのアプローチ
漢方では、帯状疱疹の急性期は炎症の強さ(熱証か寒証か)、慢性期(帯状疱疹後神経痛)は冷えとの関連に応じて、処方の考え方が異なります。
急性期・熱証タイプ(赤み・痛みが強い方)
患部の赤み・熱感・痛みが強く、比較的体力がある急性期のタイプです。皮膚に溜まった熱や膿を発散させる処方として用いられることが多い処方です。
代表処方:十味敗毒湯急性期・寒証タイプ(冷え・体力低下を伴う方)
体力があまりなく、冷えや悪寒を伴う急性期のタイプです。体を温めながら神経痛をやわらげる処方として用いられることが多い処方です。
代表処方:麻黄附子細辛湯帯状疱疹後神経痛タイプ(冷えると悪化する方)
皮膚症状が治まった後も痛みが残る、慢性期(PHN)のタイプです。冷えると症状が悪化する神経痛に、体を温めながら用いられることが多い処方です。
代表処方:桂枝加朮附湯できるだけ早期に、皮膚科での抗ウイルス薬治療を
帯状疱疹は、皮疹が出てから遅くとも5日以内、できれば3日以内に抗ウイルス薬による治療を開始することが、症状の重症化や帯状疱疹後神経痛の予防につながるとされています。「そのうち治るだろう」と自己判断せず、疑わしい症状があればできるだけ早く皮膚科を受診してください。顔や目の周りに症状がある場合、視力や聴力に影響することもあるため、特に注意が必要です。
代表的な漢方処方
この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です
実際には複数のタイプが混ざっていたり、急性期から慢性期へと経過とともに体質が変化していくこともあります。長引くPHNの痛みにストレスの関与が強い場合は四逆散が、冷えに加えて知覚の異常が目立つ場合は抑肝散が選ばれることもあるなど、体質は一人ひとり異なります。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。
実際の相談・症例動画
YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。
漢方薬以外にできる養生法
よくある質問
要点のおさらい
- 帯状疱疹は、水ぼうそうの原因ウイルスが再活性化することで起こる病気で、80歳までに約3人に1人が経験します
- 体の片側に帯状の赤み・水疱・痛みが現れ、皮疹の前に違和感が先行することもあります
- 漢方では急性期の熱証・寒証、慢性期(PHN)の冷えとの関連に応じて、十味敗毒湯・麻黄附子細辛湯・桂枝加朮附湯などが使い分けられます
- 早期の抗ウイルス薬治療が重要で、疑わしい症状があれば自己判断せず皮膚科への早めの受診が大切です
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