生理不順(月経不順)とは

漢方専門 一心堂薬局 コラム
TOP症状・病気事典 / 生理不順(月経不順)とは
🌸 女性のからだ・婦人科

生理不順(月経不順)とは

周期が短い・長い、経血の量や期間がいつもと違う——生理不順は多くの女性が経験する身近な悩みです。原因、セルフチェック、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

生理不順のイメージ
生理不順にはさまざまなタイプがあり、原因もそれぞれ異なります

正常な月経周期は25〜38日とされており、これより短い・長い、あるいは周期が毎回大きく異なる状態を「生理不順(月経不順)」と呼びます。周期の乱れ以外にも、経血の量や期間が通常と異なる「過多月経・過少月経」「過長月経・過短月経」も生理不順の一種です。

原因は年代によっても異なります。10代の初経から数年は排卵が未成熟なため不規則になりやすく、20〜30代ではストレスや生活の変化、40代後半では閉経前のホルモンの揺らぎが背景にあることが多いとされています。視床下部・脳下垂体・卵巣のいずれかでホルモン分泌に乱れが生じることが主な原因です。

漢方(東洋医学)では、生理不順を「血」の不足(血虚)や乾燥傾向、「気」のめぐりの滞り、「血」のめぐりの滞り(瘀血)などが関わる不調として捉え、体質に応じた処方が用いられます。

CHECK

こんな症状の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

生理周期が毎回大きく異なる
周期が24日以内と短い、または39日以上空くことがある
3ヶ月以上生理が来ないことがある
経血の量がいつもよりかなり多い、または少ない
生理期間が2日以内で終わる、または8日以上続く
ストレスや生活の変化があってから周期が乱れている
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。3ヶ月以上生理がない、経血量が急に大きく変化したといった場合は、まず婦人科などの医療機関を受診することをおすすめします。

TYPE

体質別に見る、生理不順への漢方アプローチ

漢方では、生理不順の背景にある体質(血の不足・乾燥傾向か、気のめぐりの滞りか、血のめぐりの滞りか)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

血虚・乾燥タイプ(周期が定まりにくい方)

血虚・乾燥タイプ

体力があまりなく、肌や髪の乾燥、冷えが目立つタイプです。周期が早まる・遅れる、どちらの乱れにも用いられる処方が選ばれる傾向があります。

代表処方:温経湯
TYPE 02

気滞・精神症状タイプ(イライラ・不安が目立つ方)

気滞・精神症状タイプ

ストレスによって「気」のめぐりが滞りやすく、イライラ・不安感・気分の落ち込みが目立つタイプです。精神神経症状が強い方に用いられることが多い処方です。

代表処方:加味逍遙散
TYPE 03

瘀血タイプ(体力が充実している方)

瘀血タイプ

比較的体力があり、月経時以外にも下腹部痛があるなど、骨盤内の血行不良が目立つタイプです。血のめぐりを改善する処方が選ばれます。

代表処方:桂枝茯苓丸

3ヶ月以上生理がない場合は、まず婦人科へ

3ヶ月以上月経が来ない「無月経」の状態が続く場合、脳下垂体の腫瘍など他の病気が隠れていることもあります。「そのうち来るだろう」と自己判断せず、婦人科での確認をおすすめします。

処方比較

代表的な漢方処方

温経湯うんけいとう
血の不足・乾燥傾向のある方に。周期の早まり・遅れどちらにも用いられることが多い処方
加味逍遙散かみしょうようさん
ストレス・イライラ・不安感が目立つ方に。気のめぐりを整える処方として用いられることが多い
桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがん
体力があり骨盤内の血行不良が目立つ方に。血のめぐりを促す処方として広く用いられる
当帰芍薬散とうきしゃくやくさん
冷え・むくみ・立ちくらみのある方に。血を補いながら水のめぐりを整える処方

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていたり、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。冷え・むくみ・立ちくらみが目立つ方には当帰芍薬散が選ばれることもあるなど、チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

症例

実際の相談・症例動画

YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

😴規則正しい生活リズムでホルモンバランスを整える
🍽️極端なダイエットを避け、バランスの良い食事を心がける
🛁湯船に浸かり、血行と自律神経を整える
🧘ストレスをためこまず、意識的に休息をとる
FAQ

よくある質問

Q生理不順は病院に行くべきですか?
A3ヶ月以上生理が来ない「無月経」や、周期が毎回大きく異なる状態が続く場合は、婦人科での相談をおすすめします。急なダイエットやストレスによる一時的な乱れであれば、生活習慣の見直しで整うこともあります。
Qストレスだけでも生理不順になりますか?
Aはい。月経をコントロールする視床下部は精神的なストレスの影響を受けやすい器官のため、強いストレスや環境の変化だけでも周期が乱れることがあります。
Q漢方薬はどのくらい続ければいいですか?
A体質改善を目的とすることが多いため、月経周期をまたいで数ヶ月単位で経過をみることが一般的とされています。効果の感じ方には個人差があります。
Q婦人科の治療と漢方薬は併用できますか?
A一般的には併用が検討されるケースもありますが、必ず処方した医師・薬剤師に相談の上で判断してください。自己判断での併用は避けましょう。
まとめ

要点のおさらい

  • 正常な月経周期は25〜38日とされ、これより短い・長い、または経血の量や期間が通常と異なる状態を生理不順と呼びます
  • 原因は年代によって異なり、ホルモンバランスやストレスの影響を受けやすいのが特徴です
  • 漢方では体質(血虚・気滞・瘀血など)に応じて、温経湯・加味逍遙散・桂枝茯苓丸などが使い分けられます
  • 3ヶ月以上生理がない場合は自己判断せず、婦人科への受診が大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
KANPO CONSULTATION
漢方相談窓口

体質に合わせた漢方選びは、専門家との問診がおすすめです。お気軽にご相談ください。