骨粗鬆症とは

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骨粗鬆症とは

背中が丸くなった、身長が縮んだ気がする、転びやすくなった——それは骨粗鬆症のサインかもしれません。閉経後の女性の約4人に1人が該当するとされる身近な病気です。原因、セルフチェック、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

骨粗鬆症のイメージ
閉経後の女性の約4人に1人が該当するとされています

骨粗鬆症とは、骨密度の低下や骨質の悪化によって骨の強度が低下し、骨折しやすくなる病気です。若年成人の平均骨密度(YAM)を100とした場合、70%未満になった状態を骨粗鬆症と定義しています。

女性の骨量は20歳頃に最大に達し、40歳代から徐々に減少し始めますが、閉経前後の50歳頃からは、骨からのカルシウムの流出を防ぐ女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少するため、骨量の減少がさらに加速します。カルシウムやビタミンDの摂取不足、運動不足、やせ型の体格、喫煙なども原因となります。自覚症状がないまま進行することが多く、背中が丸くなる、身長が縮む、腰や背中の痛みなどで気づくこともあります。

漢方(東洋医学)では、加齢に伴う骨や足腰の衰えを「腎虚(じんきょ)」、消化吸収機能の低下を「気虚」、循環・栄養維持機能の低下を「血虚」として捉え、体質に応じた処方が用いられます。

CHECK

こんな症状の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

最近、身長が縮んだ気がする
背中が丸くなった、姿勢が変わった
腰や背中の痛みが続いている
閉経を迎えた、または閉経後である
転びやすくなった
やせ型で、カルシウム摂取や運動が不足しがち
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。自覚症状がなくても、閉経前後の方は一度骨密度検査を受けることをおすすめします。

TYPE

体質別に見る、漢方でのアプローチ

漢方では、骨や足腰の衰えの背景にある体質(腎虚・気虚・血虚)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

腎虚タイプ(足腰の衰え・冷えが目立つ方)

腎虚タイプ

加齢に伴う「腎」の働きの衰えが目立つタイプです。足腰の冷え・しびれ・むくみ・頻尿など、老化に伴う症状全般に用いられることが多い処方です。

代表処方:牛車腎気丸
TYPE 02

気虚タイプ(消化吸収・体力の低下が目立つ方)

気虚タイプ

体力があまりなく、胃腸が弱い、疲れやすいといった消化吸収・新陳代謝機能の低下が目立つタイプです。お腹を温めて体力を補う処方が選ばれます。

代表処方:人参湯
TYPE 03

血虚タイプ(冷え・貧血傾向が目立つ方)

血虚タイプ

循環・栄養維持機能の低下が目立つタイプです。冷え、めまい、貧血傾向、むくみが気になる方に用いられることが多い処方です。

代表処方:当帰芍薬散

骨密度検査は自己判断せず、定期的に

骨粗鬆症は自覚症状がないまま進行することが多い病気です。漢方薬に骨密度を保証する効果は期待できないとされています。特に閉経前後の方は、一度婦人科・整形外科での骨密度検査を受け、必要に応じて薬物療法と併せて体質面をサポートする形で漢方を取り入れることをおすすめします。

処方比較

代表的な漢方処方

牛車腎気丸ごしゃじんきがん
足腰の衰え・冷えが目立つ方に。加齢に伴う「腎虚」を補う代表的な処方
八味地黄丸はちみじおうがん
むくみ・排尿の悩みが目立たない腎虚タイプに。牛車腎気丸のベースとなった処方
人参湯にんじんとう
胃腸が弱く体力が低下している方に。お腹を温めて消化機能を整える処方
当帰芍薬散とうきしゃくやくさん
冷え・貧血傾向・疲れやすい方に。血を補いながら穏やかにめぐりを整える処方

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていたり、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。腎虚タイプの中でも、むくみや排尿の悩みが目立たない場合は、牛車腎気丸のベースとなった八味地黄丸が選ばれることもあるなど、チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

症例

実際の相談・症例動画

YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

🥛カルシウム・ビタミンDを意識した食事を心がける
🚶骨に刺激が加わるウォーキングなどの運動を続ける
☀️適度に日光を浴び、ビタミンDの生成を助ける
🩺閉経前後は定期的に骨密度検査を受ける
FAQ

よくある質問

Q骨粗鬆症はどのくらいの人がなりますか?
A閉経後の女性の約4人に1人が該当するとされ、決して珍しい病気ではありません。自覚症状がないまま進行することも多いため、早めの骨密度検査が大切です。
Q骨粗鬆症は治りますか?
A骨密度を完全に元通りにすることは難しいとされていますが、薬物療法や運動・栄養療法によって骨量の減少を抑え、骨折のリスクを下げることができます。早期の発見・治療が重要です。
Q漢方薬で骨密度は改善しますか?
A牛車腎気丸には、退行期の骨粗鬆症における骨量の減少を抑制したとする研究報告もありますが、これは限られた研究段階の知見です。漢方薬は体質を整えることを目的とした位置づけとして、婦人科・整形外科での治療と並行して考えるのがおすすめです。
Q病院の治療と漢方薬は併用できますか?
A一般的には併用が検討されるケースもありますが、必ず処方した医師・薬剤師に相談の上で判断してください。自己判断での併用は避けましょう。
まとめ

要点のおさらい

  • 骨粗鬆症は骨密度・骨質の低下により骨折しやすくなる病気で、閉経後の女性の約4人に1人が該当します
  • 閉経に伴う女性ホルモンの減少が主な原因で、自覚症状がないまま進行することが多いです
  • 漢方では体質(腎虚・気虚・血虚)に応じて、牛車腎気丸・人参湯・当帰芍薬散などが使い分けられます
  • 閉経前後の方は自己判断せず、定期的な骨密度検査が大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
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