ADHDとは
ADHDとは
不注意、落ち着きのなさ、衝動的な行動——ADHD(注意欠如・多動症)は、学童期の3〜7%にみられるとされる、身近な発達障害の一つです。原因、専門機関への相談の目安、そして漢方が担える役割についてまとめました。
ADHD(注意欠如・多動症、Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)は、発達水準からみて不相応に、注意を持続させることが難しい「不注意」と、落ち着きがなく待つことが苦手な「多動性・衝動性」を特徴とする発達障害(神経発達症)の一つです。これらの特性が12歳以前から持続的にみられ、学校・家庭・職場などの生活場面で困難が生じている状態を指します。
学童期には3〜7%にみられ、男児のほうが女児より2〜5倍多いと報告されています。日常生活の困難は成人期にも持続することが少なくないことが知られており、成人期の有病率はおよそ2.5%程度とされています。原因ははっきり解明されていませんが、脳内の神経伝達物質(ドパミン・ノルアドレナリンなど)の働きが関わっていると考えられています。特性ゆえに周囲から叱責され続け、否定的な自己イメージを持ってしまうことで、うつ病や不安障害などを併発するケースもあるとされています。
漢方(東洋医学)では、感情のコントロールに「肝(かん)」が深く関わると考え、ADHDに伴ういらだち・興奮・不眠などの症状に対して、体質に応じた処方が通院治療と並行するサポート治療として用いられることがあります。
こんな様子、思い当たりませんか
ご本人やお子さまの様子を、チェックしてみてください。
※これはあくまで一般的な目安であり、診断を行うものではありません。複数当てはまり、日常生活に困難が生じている場合は、自己判断せず児童精神科・小児科・精神科などの専門機関へ相談してください。
随伴症状のタイプ別に見る、漢方の位置づけ
ADHDの診断・治療は、必ず専門機関で受けてください。漢方は、不注意などの中核症状そのものを治療するものではなく、通院治療と並行して、いらだちや興奮といった随伴症状をやわらげるサポート治療として用いられることがあります。
イライラ・易怒タイプ(かんしゃく・興奮が目立つ方)
神経が高ぶりやすく、イライラ・怒りっぽさ・不眠が目立つタイプです。もともと小児の癇癪に用いられてきた処方で、乳幼児にも使用できます。
代表処方:抑肝散不安・情緒不安定タイプ(夜泣き・不安感が目立つ方)
精神的に不安定になりやすく、不安感や情緒の波が目立つタイプです。優しい甘さで、お子様にも取り入れやすい処方です。
代表処方:甘麦大棗湯不安・緊張タイプ(チックを伴うことがある方)
体力が比較的あり、精神不安からくる「あせり」が目立つタイプです。不規則な体の動きや発声(チック)を伴う方に用いられることもあります。
代表処方:柴胡加竜骨牡蛎湯気になる様子があれば、まず専門機関へ
ADHDの診断は、専門的な知識を持つ医師が、行動観察や質問票など複数の情報をもとに慎重に行うものです。セルフチェックの結果だけで自己判断せず、児童精神科・小児科・精神科などの専門機関にご相談ください。
サポート治療として用いられる代表的な漢方処方
通院治療と並行した、漢方でのサポート治療
この3タイプは、あくまで随伴症状に対する目安です。ADHDの診断・環境調整・必要に応じた薬物療法は、必ず専門機関で受けてください。一心堂薬局では、通院状況を丁寧に伺った上で、体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬によるサポート治療をご提案しています。
実際の相談・症例動画
YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。
ご家族・周囲の方にできること
よくある質問
要点のおさらい
- ADHDは、不注意・多動性・衝動性を特徴とする発達障害で、学童期の3〜7%にみられるとされています
- 成人期にも症状が持続することがあり、有病率はおよそ2.5%程度とされています
- 漢方は中核症状の治療薬ではなく、随伴症状に対する通院治療と並行したサポート治療として、抑肝散・甘麦大棗湯・柴胡加竜骨牡蛎湯などが用いられます
- 気になる様子があれば自己判断せず、児童精神科・小児科・精神科などへの相談が大切です
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