橋本病とは

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橋本病とは

なんとなくだるい、冷える、むくむ、体重が増えた——それは橋本病(慢性甲状腺炎)のサインかもしれません。バセドウ病と並び、女性に多いとされますが、男性にも起こりうる甲状腺の自己免疫疾患です。原因、セルフチェック、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

橋本病のイメージ
橋本病はバセドウ病と並び、女性に多い甲状腺の自己免疫疾患です

橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺に対する自己抗体(抗サイログロブリン抗体・抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)が作られ、甲状腺に慢性的な炎症が起こる自己免疫疾患です。この炎症によって甲状腺の組織が少しずつ壊されると、甲状腺ホルモンが十分に作られなくなり「甲状腺機能低下症」を引き起こすことがあります。ただし、橋本病と診断された方全員が機能低下になるわけではなく、機能に異常がみられるのは一部の方に限られます。

甲状腺ホルモンが不足すると、全身の新陳代謝が低下し、疲れやすさ、無気力、物忘れ、寒がり、皮膚の乾燥、むくみ、体重増加、便秘、脱毛などの症状が現れます。バセドウ病とは正反対の症状が特徴です。強いストレス、妊娠・出産、ヨウ素の過剰摂取(昆布など)がきっかけとなり、症状が明らかになることがあるとされています。女性に多いとされますが、男性にも発症します。

漢方(東洋医学)では、橋本病に伴う不調を「気血両虚(疲労・冷え)」「肝鬱気滞(ストレス性)」「気滞血瘀(むくみ・しこり)」として捉え、体質に応じた処方が用いられます。

CHECK

こんな症状の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

以前より疲れやすく、やる気が出ない
寒がりになった、体が冷えやすい
むくみやすくなった
体重が増えやすくなった
肌の乾燥や便秘、抜け毛が気になる
首(のどぼとけの下)の腫れが気になる
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。上記の症状が複数当てはまる場合は、まず内分泌内科・甲状腺専門のクリニックなどでの血液検査をおすすめします。

TYPE

体質別に見る、漢方でのアプローチ

漢方では、橋本病に伴う随伴症状の背景にある体質(気血両虚か、肝鬱気滞か、気滞血瘀か)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

気血両虚タイプ(疲労・冷え・むくみが目立つ方)

気血両虚タイプ

体力があまりなく、疲れやすさ、冷え、むくみ、胃腸虚弱が目立つタイプです。気力・体力を補い、お腹を温める処方が選ばれる傾向があります。

代表処方:人参湯
TYPE 02

肝鬱気滞タイプ(ストレス・気分の落ち込みが目立つ方)

肝鬱気滞タイプ

ストレスによって「気」のめぐりが滞りやすく、気分の落ち込み・イライラが目立つタイプです。ホルモンバランスの乱れが気になる方に用いられることが多い処方です。

代表処方:加味逍遙散
TYPE 03

気滞血瘀タイプ(むくみ・首の腫れが目立つ方)

気滞血瘀タイプ

気と血、両方のめぐりが滞っているタイプです。むくみや、甲状腺の腫れ(しこり)が気になる方に用いられることが多い処方です。

代表処方:桂枝茯苓丸

橋本病の診断・治療は、専門医の管理のもとで

橋本病は自己免疫疾患であり、漢方薬だけで甲状腺ホルモンの値をコントロールすることはできません。診断・治療は必ず内分泌内科・甲状腺専門のクリニックで受けてください。漢方は、冷え・むくみ・疲労感などの随伴症状を和らげる目的で治療と並行して用いられることが多いものです。

処方比較

代表的な漢方処方

人参湯にんじんとう
疲労感・冷え・胃腸虚弱が目立つ方に。お腹を温めて消化機能を整える処方
加味逍遙散かみしょうようさん
ストレス・気分の落ち込みが目立つ方に。気のめぐりを整える処方として用いられることが多い
桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがん
むくみ・首の腫れが気になる方に。血のめぐりを促す処方として広く用いられる

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていることも多く、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

症例

実際の相談・症例動画

YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

🍲体を温める食事を心がける
😴十分な休養をとり、無理をしない
🍽️ヨウ素の摂りすぎ(昆布など)に気をつける
🩺通院・血液検査を自己判断で中断しない
FAQ

よくある質問

Q橋本病になると必ず甲状腺機能低下症になりますか?
Aいいえ。橋本病(慢性甲状腺炎)と診断されても、甲状腺の機能に異常がない方も多くいます。実際に機能低下がみられるのは、橋本病の方の中でも一部とされています。定期的な血液検査で経過をみることが大切です。
Q橋本病はバセドウ病とどう違いますか?
Aどちらも甲状腺の自己免疫疾患ですが、バセドウ病は甲状腺ホルモンが「過剰」になる病気、橋本病は甲状腺ホルモンが「不足」しやすい病気です。症状も正反対で、バセドウ病は動悸・体重減少・暑がりが、橋本病は無気力・体重増加・寒がりが特徴的です。
Q漢方薬だけで橋本病を治療できますか?
Aいいえ。橋本病は自己免疫疾患であり、甲状腺ホルモンが不足している場合は、内分泌内科でのホルモン補充療法が基本となります。漢方薬は、冷え・むくみ・疲労感などの随伴症状を和らげる目的で、治療と並行して用いられることが多いです。
Q病院の治療と漢方薬は併用できますか?
A一般的には併用が検討されるケースもありますが、必ず処方した医師・薬剤師に相談の上で判断してください。自己判断での併用は避けましょう。
まとめ

要点のおさらい

  • 橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺に対する自己抗体が慢性的な炎症を起こす自己免疫疾患です
  • 甲状腺機能低下症を伴うと、疲れやすさ、無気力、寒がり、むくみ、体重増加などの症状が現れます
  • 漢方では体質(気血両虚、肝鬱気滞、気滞血瘀)に応じて、人参湯・加味逍遙散・桂枝茯苓丸などが使い分けられます
  • 診断・治療は必ず内分泌内科・甲状腺専門の医療機関で受けることが大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
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