男性不妊症とは

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男性不妊症とは

不妊というと女性側の問題と思われがちですが、実は約半数のケースで男性側にも原因が関わっているとされています。原因、セルフチェック、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

男性不妊症のイメージ
不妊の原因のうち、約半数は男性側にも関わっているとされています

男性不妊症とは、パートナーが1年以上避妊せず性交をしても妊娠しない状態(不妊症)のうち、男性側に原因があるケースを指します。WHO(世界保健機関)の調査では、不妊症のうち男女ともに原因がある割合が24%、男性のみに原因がある割合が24%とされ、合わせると約半数で男性側の要因が関わっているとされています。

男性不妊症の原因の約8割は、精子を作る働きに何らかの異常がある「造精機能障害」とされ、その中でも原因を一つに特定できない「特発性」のケースが約半数を占めます。ストレス・生活習慣・肥満・喫煙・長時間の入浴やサウナなど、さまざまな要因が複合的に関わっていると考えられています。また、精巣周囲の血管に逆流が起こる「精索静脈瘤」も代表的な原因の一つです。

漢方(東洋医学)では、男性不妊症を加齢に伴う「腎虚」、体力・気力の不足による「気虚」、ストレスによる「気滞」として捉え、体質に応じた処方が用いられます。

CHECK

こんな生活習慣・体調の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

疲れやすく、体力の衰えを感じる
足腰の冷えや、むくみが気になる
ストレスや不規則な生活が続いている
長風呂やサウナ、長時間のデスクワークが多い
喫煙している、または過去に長期間喫煙していた
1年以上、パートナーと避妊せず性交しているが妊娠しない
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。気になる場合は、泌尿器科・生殖医療専門のクリニックでの精液検査をおすすめします。

TYPE

体質別に見る、漢方でのアプローチ

漢方では、男性不妊症の背景にある体質(腎虚か、気虚か、気滞・ストレスか)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

腎虚タイプ(加齢による衰えが目立つ方)

腎虚タイプ

加齢に伴う「腎」の働きの衰えが目立つタイプです。足腰の冷え・頻尿・むくみなどを伴う方に用いられることが多く、男性不妊の第一選択としても知られる処方です。

代表処方:八味地黄丸
TYPE 02

気虚タイプ(疲労・体力の低下が目立つ方)

気虚タイプ

体力虚弱で元気がなく、疲れやすさが目立つタイプです。精子運動率の上昇が期待できるとする報告もあり、虚証の方に用いられることが多い処方です。

代表処方:補中益気湯
TYPE 03

気滞・ストレスタイプ(体力が充実している方)

気滞・ストレスタイプ

比較的体力があり、ストレスによって「気」のめぐりが滞りやすいタイプです。精子濃度・運動率の改善が期待できるとする報告もある処方です。

代表処方:柴胡加竜骨牡蛎湯

まずは検査を受けることから

漢方薬による精液所見の改善には個人差があり、世界的な大規模なエビデンスはまだ十分ではありません。「女性側の問題では」と自己判断せず、まずは精液検査を受けて現状を知ることが第一歩です。パートナーの検査と並行して進めることがすすめられています。

処方比較

代表的な漢方処方

八味地黄丸はちみじおうがん
加齢による腎虚が目立つ方に。男性不妊の第一選択としても知られる処方
補中益気湯ほちゅうえっきとう
疲労感・体力の低下が目立つ方に。精子運動率の上昇が期待できるとする報告もある
柴胡加竜骨牡蛎湯さいこかりゅうこつぼれいとう
体力が充実しストレスが目立つ方に。精子濃度・運動率の改善が期待できるとする報告もある

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていることも多く、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。精巣内の血流をサポートする桂枝茯苓丸と組み合わせることもあるなど、チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

症例

実際の相談・症例動画

YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

🚭禁煙を心がける
🛁長風呂・サウナなど精巣を温めすぎる習慣を控える
🍽️栄養バランスの良い食事、十分な睡眠をとる
🩺まずは精液検査を受けてみる
FAQ

よくある質問

Q不妊の原因は本当に男性にもあるのですか?
Aはい。WHO(世界保健機関)の調査では、不妊症のうち男女ともに原因がある割合が24%、男性のみに原因がある割合が24%とされ、合わせると約半数のケースで男性側にも原因が関わっているとされています。
Q男性不妊症の検査は何をしますか?
A最も基本的な検査は精液検査です。精子の数・運動率・形態などを調べます。精液検査の結果は日によるばらつきが大きいため、1回の数値だけで判断せず、複数回検査を受けることも大切です。
Q漢方薬で精子の状態は改善しますか?
A補中益気湯で精子運動率の上昇が、柴胡加竜骨牡蛎湯で精子濃度・運動率の改善が期待できるとする報告があります。ただし世界的な大規模なエビデンスはまだ十分ではなく、効果には個人差があります。標準治療と組み合わせて検討するのがおすすめです。
Q病院の治療と漢方薬は併用できますか?
A一般的には併用が検討されるケースもありますが、必ず処方した医師・薬剤師に相談の上で判断してください。自己判断での併用は避けましょう。
まとめ

要点のおさらい

  • 不妊の原因のうち、約半数は男性側にも関わっているとされ、決して女性だけの問題ではありません
  • 原因の多くは「造精機能障害」で、生活習慣や精索静脈瘤などが関わることがあります
  • 漢方では体質(腎虚、気虚、気滞)に応じて、八味地黄丸・補中益気湯・柴胡加竜骨牡蛎湯などが使い分けられます
  • 気になる場合は自己判断せず、まずは精液検査を受けることが大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
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