多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは

生理不順、なかなか妊娠しない、ニキビや多毛が気になる——それは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)かもしれません。生殖年齢の女性の5〜8%にみられる身近な病気です。原因、セルフチェック、体質別に見た漢方でのアプローチをまとめました。

多嚢胞性卵巣症候群のイメージ
PCOSは生殖年齢の女性の5〜8%にみられるとされています

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:Polycystic Ovary Syndrome)は、ホルモンバランスの乱れにより卵巣の中に未成熟な小さい卵胞がたくさんできてしまい、排卵がうまく行われなくなる病気です。生殖年齢の女性の5〜8%にみられるとされ、月経異常や不妊の主要な原因の一つです。

排卵ができないことで生理周期が不規則になったり、生理が来なくなったりします。また、ホルモンバランスの乱れにより男性ホルモンが増えることで、ニキビや多毛などの症状を伴うこともあります。原因ははっきり解明されていませんが、遺伝や環境などの複合的な要因が関わると考えられており、肥満も一因とされています。

漢方(東洋医学)では、PCOSを「瘀血(おけつ)」「血虚(けっきょ)」「気滞(きたい)」など、血・気のめぐりの乱れとして捉え、体質に応じた処方が用いられます。

CHECK

こんな症状の変化、思い当たりませんか

当てはまるものにチェックを入れてみてください。

生理周期が不規則、または生理が来ないことがある
ニキビができやすい、治りにくい
体毛が濃くなった気がする
体重が増えやすくなった
1年以上、避妊せず性交しているが妊娠しない
婦人科の検査で卵巣に多数の卵胞があると言われたことがある
0/6 が当てはまりました まずは気軽な気持ちでチェックしてみましょう。

※個人差があります。生理が3ヶ月以上ない、多毛やニキビが気になるといった場合は、まず婦人科などの医療機関を受診することをおすすめします。

TYPE

体質別に見る、漢方でのアプローチ

漢方では、PCOSの背景にある体質(血の不足・冷えか、血のめぐりの滞りか、ストレスによる気のめぐりの滞りか)に応じて、処方の考え方が異なります。

TYPE 01

血虚・冷えタイプ(体力があまりない方)

血虚・冷えタイプ

冷え症、むくみやすい、貧血傾向、疲れやすいといった体力があまりない方に用いられることが多いタイプです。月経不順や無排卵が気になる方に用いられます。

代表処方:当帰芍薬散
TYPE 02

瘀血タイプ(生理痛・ニキビが目立つ方)

瘀血タイプ

血の巡りが悪くなっている「瘀血」が目立つタイプです。生理痛が強い、下半身の冷え、ニキビやむくみが気になる方に用いられることが多い処方です。

代表処方:桂枝茯苓丸
TYPE 03

気滞タイプ(ストレス・イライラが目立つ方)

気滞タイプ

ストレスによって「気」のめぐりが滞りやすく、イライラ・不安感が目立つタイプです。ホルモンバランスの乱れが気になる方に用いられることが多い処方です。

代表処方:加味逍遙散

生理が3ヶ月以上ない場合は、まず婦人科へ

PCOSは放置すると、子宮体がんや糖尿病、脂質異常症などのリスクが高まることがあるとされています。「そのうち来るだろう」と自己判断せず、婦人科での検査・継続的な管理をおすすめします。

処方比較

代表的な漢方処方

当帰芍薬散とうきしゃくやくさん
冷え・貧血傾向・疲れやすい方に。血を補いながら穏やかにめぐりを整える処方
桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがん
生理痛が強い、ニキビ・むくみが気になる方に。血のめぐりを促す処方として広く用いられる
加味逍遙散かみしょうようさん
ストレス・イライラが目立つ方に。気のめぐりを整える処方として用いられることが多い

この3タイプは、あくまで「大まかな目安」です

実際には複数のタイプが混ざっていることも多く、体力・季節・生活の変化によって体質は少しずつ動いています。チェックリストやこのタイプ解説だけで「自分は〇〇タイプだ」と決めて既製の漢方薬を選ぶと、本来の体質とずれてしまうことも少なくありません。一心堂薬局では、既製の処方をそのまま当てはめるのではなく、専門家がお一人おひとりを丁寧に問診し、そのときの体質にぴったり合わせたオーダーメイドの漢方薬をご提案しています。

症例

実際の相談・症例動画

YouTube内で、この症状に関する実際のご相談・症例が紹介されています。

SELF CARE

漢方薬以外にできる養生法

🏃適度な運動で体重管理を意識する
🍽️血糖値の急上昇を避け、バランスの良い食事を心がける
😴規則正しい生活リズムでホルモンバランスを整える
🩺婦人科での定期的な検査を続ける
FAQ

よくある質問

Q多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)はどのくらいの人がなりますか?
A生殖年齢の女性の5〜8%程度にみられるとされ、月経異常や不妊の主要な原因の一つとして、決して珍しくない病気です。
QPCOSは治りますか?
APCOSの原因ははっきり解明されていませんが、生活習慣の改善(特に肥満のある方は減量)や薬物療法によって症状のコントロールが可能とされています。放置すると子宮体がんや糖尿病などのリスクが高まることもあるため、婦人科での継続的な管理が大切です。
Q漢方薬でPCOSは改善しますか?
A当帰芍薬散を用いた研究で、卵巣機能の改善に寄与する可能性が示唆された報告もありますが、これは限られた研究段階の知見です。漢方薬は体質を整えることを目的とした位置づけとして、婦人科での治療と並行して考えるのがおすすめです。
Q婦人科の治療と漢方薬は併用できますか?
A一般的には併用が検討されるケースもありますが、必ず処方した医師・薬剤師に相談の上で判断してください。自己判断での併用は避けましょう。
まとめ

要点のおさらい

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵がうまく行われなくなる病気で、生殖年齢の女性の5〜8%にみられます
  • 生理不順、ニキビ、多毛、不妊の原因になることがあります
  • 漢方では体質(血虚・冷え、瘀血、気滞など)に応じて、当帰芍薬散・桂枝茯苓丸・加味逍遙散などが使い分けられます
  • 生理が3ヶ月以上ない場合は自己判断せず、婦人科への受診が大切です
参考文献・出典

この記事の情報源

荻秀康
荻秀康(薬剤師) / 漢方専門 一心堂薬局
漢方薬局にて7年勤務。日々の体調管理や体質改善について、YouTubeやSNSでも発信しています。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を保証するものではありません。症状の程度には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに専門家へご相談ください。
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